こんにちは!片田舎の理学療法士です。
高齢者にとって「転倒」は大きな怪我や生活の質の低下を招くリスクがあります。
しかし、ちょっとした工夫で転倒のリスクは大きく減らすことができます。

今回は、理学療法士の視点から「転倒防止対策リスト」をご紹介します。
ご自宅や施設で簡単に実践できる内容ばかりなので、ぜひご活用してみてください。
転倒防止対策リスト
1.環境整備(自宅内の環境を整えてみる)
□室内の通路に物がないか確認

廊下の足元に雑誌を積み重ねていたり、タンスなどの箱ものを置いているなどがあると、それに足を引っかけて転ぶ危険性が高まります

□段差にはスロープや目印をつける

最近の家はバリアフリー設計で、ほとんど段差を見かける事は少なくなりましたが、昔ながらの和風の家だと廊下から各部屋に移動する時に1~2cmのちょっとした段差があったり玄関にも必ず段差があります。足を骨折されて入院される患者さんの多くはそこで転んでケガをされているんです

□絨毯やマットには滑り止めをつける

和室やフローリングの部屋などにはカーペットを敷いているところもと多いんではないでしょうか。ちょっと見た目ではあまり危険性を感じないわずかな段差であっても、そこにタイミング悪くつま先が引っかかってしまったら転ぶ危険性が高まります

□階段や、トイレ、浴室には手すりを設置

手すりを取付けるだけで心にも身体にも安心感が生まれます。今は付けなくても大丈夫だろうと思っていても、先々の事を考えて取付けておく事は大事だと思います

□夜間の足元を照らす常夜灯を使用

夜間のトイレまでの移動時も転ぶ危険性が高いんです。夜寝る前に、眠りやすくなるお薬を飲んでいませんか?夜中にトイレに起きた際には、足元がフラフラしやすいです。また廊下に物を置いていたりするとそれに足をぶつけて転んだってこともあるかと思います。今は人感センサー付きのライトが販売されていると思うので検討してみてはいかがでしょうか?

2.履き物の見直し
□滑りにくい靴、室内履きを使用
□脱げやすいサンダルは避ける
□サイズが合っているか確認

室内履き⁇必要ないって思うでしょ?冬場とか靴下で歩くとなると滑って転ぶ確率が格段に上がるんですよ・・・そしたら足裏に滑り止めが付いている靴下に履き替えるだけでもいいです、これでも格段に転ぶリスクは減りますよ‼
サンダル‼庭に出るだけだから大丈夫‼・・・って思うでしょ?意外と思わぬところで脱げちゃって、その拍子に転んじゃうってことが多いんですよ・・・外に出る際も踵が入る靴がいいんです!
ぶかぶかした靴はサンダル同様に危ないんです‼今は介護用の履きやすい靴があるので是非試してみてください‼
3.身体機能の維持・向上
□週2~3回の運動習慣をつける
□下肢筋力(太もも、ふくらはぎ)のトレーニング
□バランス能力を高める運動(例:片足立ち)

こちらで書いてますんで参考にしてみてください‼【理学療法士が解説】歩くとふらつく原因と自宅でできる対策5選
4.日常生活の見直し
□起き上がりや立ち上がりはゆっくり行う
□急な方向転換を避ける
□必要なら杖や歩行器を使用する(理学療法士と相談)

急に起き上がるとめまいがする・・・ 急に立ち上がると尻もちをつく・・・
急に方向を変えると足同士でつまづく・・・ 高齢者あるあるだと思います
5.服薬管理
□ふらつきの副作用がある薬は医師と相談する
□飲み合わせに注意

ちゃんとお医者さんのお話を守って飲むようにしましょう
6.視力・聴力の確認
□定期的な眼科・耳鼻科への受診
□眼鏡や補聴器は正しく使えているか確認する

気になったらお医者さんに診せに行くのも大事です
理学療法士からのアドバイス
転倒のリスクは「年齢のせい」だけではありません。ちょっとした配慮で大きな事故を防ぐことができます。
また、「歩き方が気になる」「ふらつくようになった」などのサインがあれば、早めに医師に相談しましょう。
転倒予防のための運動指導や歩行訓練も、理学療法士の専門分野です。責任もってリハビリに取り組みます。
まとめ
転倒を防ぐためには「環境」「身体」「習慣」の3つの視点から見直すことが大切です。
今回のチェックリストを活用して、安全で安心な生活に繋げていただければ幸いです。


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