促通反復療法の実践方法
促通反復療法は、主に麻痺を抱える患者に対するリハビリテーション手法の一つであり、効果的な治療法として注目を集めています。この療法では、反復運動を通じて、機能の改善を図ることが目的とされています。麻痺を伴う患者のリハビリテーションにおいて効果的な治療法として注目され、特に脊髄損傷や脳梗塞後の回復期において、その効果が証明されています。
促通反復療法の実践においては、まず医療機関での正確な評価が重要です。医師や理学療法士と連携し、患者の状態や具体的な目標を明確にすることが必要です。

脳卒中を患い片麻痺となってしまい入院が必要となった患者さんに対しては、医師やわたくし達、理学療法士が正確な評価を行っていきます。
促通反復療法の具体的なやり方
促通反復療法の具体的なやり方には、まず振動や電気刺激を併用した手法があります。これにより、麻痺した部位の運動機能を活性化し、再生を促すことが期待できます。患者に合わせた具体的な運動パターンを提示し、実施する際には、必要に応じてボツリヌス治療などの併用が考慮されます。また、この療法は通常、段階的に負荷を加えながら行われるため、強化しながら回復期に向けた訓練を行うことが重要です。

振動を用いたリハビリについては、脳卒中の方の自転車運転希望に対してという記事にも載せているので一度覗いてみてください‼
促通反復療法は、特に上肢や手指の機能回復に効果を発揮することが多く、運動機能の向上を目指す患者にとって、理想的な治療法であります。反復的な実施により、脊髄からの信号を活性化し、随意運動を実現することが可能です。また、促通反復療法に関する情報は、鹿児島大学や研究機関からも提供されているため、最新の研究に基づく情報を取り入れることも重要です。

自分もここの研修会に行って、川平先生からしっかり学んできました‼
このように、促通反復療法の実践方法は多岐にわたり、患者の生活の質を向上させるために重要な役割を果たしています。具体的なやり方を理解し、効果的なリハビリテーションを行うためには、正確な情報に基づいた実施が不可欠であると言えます。
促通反復療法における電気刺激の効果と活用法
ここで、促通反復療法の具体的なやり方の中に「電気刺激」という言葉が出てきましたが、どういうものにあたるのかここでお話させていただきます。
電気刺激においては、筋肉を電気刺激によって意図的、または継続的に動かしながら意図した運動で促通を行うことで、運動機能の再建を助け、日常生活の改善を目指します。
電気刺激の具体的な効果には、筋機能の強化や反復運動の促進があります。特に、下肢の動きが必要な歩行訓練においては、電気刺激が麻痺した部位の活動を高め、患者の運動能力の向上を実現します。促通反復療法を実施する病院では、専門の医師が治療方針を設計し、それに基づいて電気刺激を用いた反復療法が行われています。

もちろん、わたくしが勤めている病院でも電気刺激を併用した促通反復療法を提供していますよ‼
脳卒中治療ガイドライン2021では
①歩行障害に対するリハビリテーション
・下垂足を呈する脳卒中患者に対して、歩行速度を改善させるために機能的電気刺激(FES)を行うことは妥当である。(推奨度B、エビデンスレベル高)
②上肢機能障害に対するリハビリテーション
・中等度から重度の上肢麻痺に対して、もしくは肩関節亜脱臼に対して、神経筋電気刺激を行うことは妥当である。(推奨度B、エビデンスレベル中)
③痙縮に対するリハビリテーション
・経皮的末梢神経電気刺激(TENS)を行うことは勧められる。(推奨度A、エビデンスレベル高)
と、脳卒中を患われた方で起こってしまう症状に対して高い治療効果が得られているようです。

電気刺激の効果には何がある?
電気刺激は先に述べたような筋機能の強化や反復運動の促進だけではなく、電気刺激の使い方によっては、
・鎮痛効果、筋緊張の緩和、関節可動域の改善、筋委縮の予防、創傷治癒、浮腫の改善など
さまざまな分野において活用されているものなんです。
電気刺激療法の概要
電気刺激を用いた治療法を「電気刺激療法」といいます。その分類は以下に分かれています。

その中で、促通反復療法と併用して用いる電気刺激療法として、「機能的電気刺激(FES)」と「神経筋電気刺激(NMES)」を使用します。
・神経筋電気刺激(NMES)・・・神経筋に電気刺激を加え他動的に筋収縮を誘発し、筋力増強や筋萎縮の予防、神経筋再教育、痙縮抑制などを目的として実施する治療です。
・機能的電気刺激(FES)・・・筋もしくは末梢神経を刺激して麻痺筋を収縮させることで、その筋の随意性及び消失した機能を代償させることを目的とした治療です。
促通反復療法と電気刺激の併用
促通反復療法において用いられる電気刺激療法として、
持続的低振幅電気刺激(RFE under continuous low amplitude NMES:RFE under cNMES)があり、運動を誘発させたい神経筋群に表面電極を貼付し、低周波電気刺激(周波数20~50Hz、パルス幅150~250μsec:わずかに筋収縮を生じる程度の筋緊張として関節運動を生じるほどには強くしない)を行います。

使用する機器として、伊藤超短波(株)製のエスパージ(ESPURGE)が用いられます。
モード選択(上の写真の”モード”とあるところ)の中に、腕や足に使う際に促通反復療法とを併用するなかで最適な電気刺激が流せるようプログラムされています。

わたくしの勤めている病院でも導入されています。とても便利な機械なんですよ‼
電気刺激と促通反復療法の併用療法でしっかりとした効果が出ている研究結果も出されています。

詳しくはこちらをご覧ください‼
中枢性運動麻痺に対する電気刺激療法の戦略
脳卒中を患い運動麻痺になられた方に対しての電気刺激療法にも、麻痺の程度(軽い・重い麻痺)によって治療戦略も変わります。
| 麻痺の程度(軽い・重い麻痺) | 治療戦略 |
| 重度運動麻痺(筋萎縮・弛緩性麻痺・亜脱臼) | NMESあるいはFES ・神経筋再教育との併用 ・ミラーセラピー、両側運動、交互運動との併用 ・筋萎縮の予防と運動単位の増大を図る |
| 中等度運動麻痺(分離困難・痙縮増大) | NMES、FESを検討 ・痙縮抑制 ・課題志向型動作練習に併用 ・問題点に限局した電気刺激 ・さらなる運動単位の増大や巧緻性、協調性の改善を図る |
| 軽度運動麻痺 | 末梢神経感覚電気刺激 ・CI療法といった麻痺肢積極的課題志向型練習や行動療法に補助的に電気刺激による感覚入力を付加し、ADL上の使用頻度を増大させる |

さいごに
促通反復療法は、同時に他の治療法との併用が可能であり、例えば、ボツリヌス療法や振動刺激といった先端の技術が利用されることもあります。患者が必要とする訓練の状況に応じて、促通反復療法を取り入れたリハビリテーションが提案されており、効果的な方法として広く普及しています。
加えて、鹿児島大学(促通反復療法が産まれたところと言っていいですかね😊👌)の研究所では、促通反復療法に関する最新の情報や成果が発表されており、医療従事者からの問い合わせも多数寄せられています。したがって、促通反復療法における電気刺激は、現在のリハビリテーションの中で重要な役割を果たしており、その利点を最大限に活かすための情報収集が、今後も重要になるでしょう。



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