家屋調査で活かしてほしい住環境整備(福祉用具)

リハビリテーション

前回は住宅改修についてはある程度お話させていただきました。

あとは患者さんが安心して自宅で生活できる工夫として「福祉用具」があります。

次は、福祉用具についてお話させていただきます。

福祉用具の定義

 「介護保険法:第8条」

 ・心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのもの

とされています。

貸与の対象となる福祉用具

       厚生労働省:介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要より引用

【福祉用具貸与】

①車椅子②車椅子付属品③特殊寝台④特殊寝台付属品⑤床ずれ防止用具⑥体位変換器

⑦手すり⑧スロープ⑨歩行器⑩歩行補助杖⑪認知症老人徘徊感知機器⑫移動用リフト

⑬自動排泄処理装置・・・の13項目

【福祉用具販売】

①腰掛け便座②自動排泄処理装置の交換可能部③入浴補助用具④簡易浴槽⑤移動用リフトの吊り具部分

・・・の5項目あるようです。

福祉用具貸与と福祉用具販売

・福祉用具貸与・・・要支援・要介護度に応じた支給限度基準額(*)の範囲内において、他の在宅サービス(訪問リハ、デイケア、ショートステイ等)と組み合わせて利用出来る。費用の1割は利用者負担となる。(一定の所得に応じて2~3割負担となる)

・特定福祉用具の購入・・・他の在宅サービスとは別に、1年度につき10万円を支給限度基準額とし、購入費の9割が償還払いで支給される。(一定の所得に応じて2~3割負担となる)

*支給限度基準額・・・介護保険から給付される一か月あたりの上限額

福祉用具貸与(13品目)

①車椅子

 座ったまま移動するための福祉用具で、離床を促し廃用症候群を防止する。自立支援の観点からは、出来る限り本人が操作する方がよい。毎日、長時間使用するので使用者の身体に合ったものを選択する

 ・自走用標準型車椅子 ・介助用標準型車椅子 ・リクライニング式車椅子

 ・ティルト&リクライニング式車椅子 ・六輪車椅子 ・標準型電動車椅子

 ・ハンドル型電動車椅子 ・簡易型電動車椅子 等々

②車椅子付属品

クッション・テーブル・ブレーキ(片麻痺:延長レバー付きのブレーキ)・電動補助装置等

③特殊寝台

一般的に「介護ベッド」または「電動ベッド(ギャッチベッド)」と言われる背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能や、床板の高さが無段階に調整できる機能を持ったもの

④特殊寝台付属品

⑤床ずれ防止用具

【1.静止型マットレス】

自力で寝返りができる人に適しているマットレス。ウレタンフォームやゲルなどのやわらかな素材で、体を包み込むようにフィットする

【2.圧切替型マットレス】

自力で体の向きを変えられない人に適しているマットレス。マットレス内の空気圧が切り替わり、体圧がかかる部分を変えることができる

⑥体位変換器

空気パッド等を身体の下に挿入することにより、居宅要介護者等の体位を容易に変換できる機能を有するもの

⑦手すり

取付けに際して工事を伴わないもの *設置工事を要するものになると、住宅改修費支給の対象になる

⑧スロープ

取付けに際し、工事を伴わないものに限る。材質は金属(アルミ)製、グラスファイバーなど。スロープ部分が一枚板で折り畳めるもの、車いすの車輪の位置にあわせて取り付けられる。2本組のもの等がある。

⑨歩行器

*シルバーカーは?・・・福祉用具給付対象外らしいです。

⑩歩行補助杖

・ロフストランド・クラッチ(エルボークラッチ)

・プラットホーム・クラッチ

・松葉杖

・多点杖(多脚杖)

では、T字杖は福祉用具給付対象?・・・給付対象外らしいです。

⑪認知症老人徘徊感知機器

 マットにセンサーが仕込まれているタイプ。主にベッドの横へ設置するケースが多く、利用者がベッドから離れたときに音や光で知らせる。

⑫移動用リフト(吊具部分を除く)

1:床走行式リフト

2:固定式(設置式)リフト

3:据置式リフト

4:天井走行式リフト

⑫移動用リフト

段差解消機(据置式、設置式、移動式)・可搬型階段昇降機*福祉用具専門相談員による操作指導が必要

⑬自動排泄処理装置(本体)

寝たきりなどの何らかの事情があってトイレで排泄ができない人が使用し、自動で排尿を吸引してくれる福祉用具

<メリット>

・寝た姿勢のままでも排尿が可能なため、安楽に使用することができる

・介助者の手を借りずとも自力で排尿できる

福祉用具販売(5品目)

①腰掛便座

 本人の自尊心や介助者の負担を考慮すると、排泄行為は出来る限り自立することが望ましい。介助を必要とする場合でも排泄をトイレで行うことを目標にするのが基本

 ・据え置き式便座

 ・補高便座

 ・立ち上がり補助便座

 ・ポータブルトイレ

②自動排泄処理装置の交換可能な部品

 トイレでの排泄が困難な場合に、ベッドサイドまたは車椅子上で尿を採る器具(自動排泄処理装置)のレシーバー・チューブ・タンクなどの交換可能部品(尿や便の経路となるもの)

③入浴補助用具

濡れて滑りやすい環境の中で行われるので、入浴動作はADLの中で最も難しい動作。

・入浴用椅子・浴槽用手すり・浴槽内椅子・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ

④簡易浴槽

要介護者である高齢者が、居室などで簡単に入浴ができるよう、入浴動作を助けるためのもの。ベッド上からの移動ができず、自宅の浴槽では入れることが困難な場合、この「簡易浴槽」を使うことで、介護者、家族の方の負担軽減を図る。

⑤移動用リフトの吊具の部分

 吊り具のタイプ

 両足の腿部分を別々に包む脚分離型、体全体をつつみ込むシート型、脇の下と、腿の下にかかる二つのバンドからなるセパレート型などのタイプがある。脚分離型とシート型は頭の部分まで回り込んで支持するハイバック型と、そうでないローバック型に分かれる。

以上、家屋調査で活かしてほしい住環境整備(福祉用具)編としてお話させていただきました。

福祉住環境コーディネーターの資格を目指す方の参考になれば幸いです!

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